異色もん。

ドラえもん、もやしもん、くまもんに続く第四のもん。いつか鎌倉の老人になる日まで。(単なる読書系ブログです)

読書(日本SF)

<シミルボン>再投稿 グラビンスキを読んでみた

ランキング参加中読書 2015年から3冊の短編集が刊行されたポーランドの作家グラビンスキ。 1887年オーストリア=ハンガリー帝国領ガリツィア生まれで20世紀前半に活躍したこの作家「ポーランドのポー」「ポーランドのラヴクラフト」の異名をもち<ポーランド…

2024年2月に読んだ本

ランキング参加中読書 昨年話題になったSFを消化。 ◆『赦しへの四つの道』アーシュラ・K・ル・グィン 赦しへの四つの道 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)作者:アーシュラ K ル グィン早川書房Amazon ル・グィンを代表するSFシリーズ≪ハイニッシユ・ユニバース…

<シミルボン>再投稿 コラム「敵と味方をわけるもの」

ランキング参加中読書 <シミルボン再投稿シリーズですが、<シミルボン>では投稿を盛んにするためにお題の提供も定期的に行われていました。数は少ないのですが、そうした企画に合わせて書いたものもありました。以下のコラムのお題は「#おしえて、せんそ…

2023年10月に読んだ本とオンラインで聞いたイベント

ランキング参加中読書 今月も量はもう一つですなあ。 ◆『エデンの黒い牙』ジャック・ウィリアムスン エデンの黒い牙 (創元推理文庫)作者:ジャック ウィリアムスン東京創元社Amazon 人狼伝説をベースにし、人類史の影に隠れた闇の一族の秘密をめぐる攻防が描…

<シミルボン>再投稿 連載「放克犬のおすすめポピュラー音楽本」 第11回『ルー・リード ワイルド・サイドを歩け』

ランキング参加中音楽ランキング参加中読書ルー・リード ワイルド・サイドを歩け作者:ピーター ドゲット大栄出版Amazon~ルー・リードの背景や1990年初頭までの歩みを丁寧に追った伝記本~ ふと思い立ってルー・リードの伝記を読んでみた。 近年もう一度昔の…

<シミルボン>再投稿 第6回シミルボンコラム大賞落選作! 世界最大の実験国家アメリカを舞台に人間と音楽の関係を問う『アメリカ最後の実験』

ランキング参加中読書ランキング参加中音楽アメリカ最後の実験(新潮文庫)作者:宮内悠介新潮社Amazon 第6回シミルボンコラム大賞のテーマは「宮内悠介を読む」。 さて落選の理由を推察。 宮内悠介については、こちらが世代が上であることもあり、その切実さ…

2023年9月に読んだ本と参加した読書イベント

ランキング参加中読書 諸般の事情(?)で初めて『指輪物語』を読み始める。とりあえず1-4巻を読了。さすがに映画「ロード・オブ・ザ・リング」(と「ホビット」)を観ていたので、設定やキャラクターとだいたいの流れを思い出しながら、割とすんなり読めて…

2023年7月に読んだ本と怪奇幻想読書会

ランキング参加中読書 諸般の事情で読んだ本はちょっとだけ。 ◆『ピンポン』パク・ミンギュ 世界の命運を握るピンポンの試合にいじめられっ子二人が挑む!というフォーマットは魅力的なのだが、枝葉の部分にどうものれない部分があって個人的には今ひとつだ…

シミルボン、サービス終了

ご縁があり、開始当初から利用していたシミルボンが今年10月1日24時で終了するとのこと。 https://shimirubon.jp/columns/1711228 うーむ残念。 第3回シミルボンコラム大賞もいただいたりして、単なる読書好きながら、非常にモチベーションを高めてくれる読…

2023年6月に読んだ本

ランキング参加中読書 うーんあまり読めなかったなー。 ◆『ブエノスアイレス食堂』カルロス・バルマセーダ 原題はManual del caníbal。帯に"アルゼンチン・ノワール"のワードもあり、強烈な冒頭から始まる。ただし、いわゆるノワールっぽいパートは終盤で、…

2023年5月に読んだ本、参加した読書イベント

ランキング参加中読書◆『ドローンランド』トム・ヒレンブラント ドイツ作家による近未来ハードボイルドSF。覇権国が一変し、ドローンによる監視が当たり前となったヨーロッパで、議員の殺人事件の背景にある巨大な陰謀を追う刑事が主人公。ヴァーチャル世界…

2023年4月に読んだ本、参加した読書イベント

ランキング参加中読書◆『いかに終わるか 山野浩一発掘小説集』岡和田晃[編]山野浩一 山野浩一研究を継続的に行い、THの連載「山野浩一とその時代」で当時の時代というものまで詳細に伝えてくれる岡和田晃氏による編集のレア小説集。 1 「死滅世代」と一九…

2023年3月に読んだ本、と怪奇幻想読書会

◆『輝く断片』シオドア・スタージョン 再読。 「取り替え子」 遺産相続のため、赤ん坊の世話をして家庭的なところを親戚に見せなくてはいけない夫婦。偶然現れた赤ん坊はで、というコメディ。切れの良い会話が楽しい一作。 「ミドリザルとの情事」 冒頭いき…

2023年2月に読んだ本、参加した読書イベント

ランキング参加中読書←よくわからないけど参加してみることにしました ◆『澁澤龍彦訳 幻想怪奇短篇集』 『怪奇小説傑作集4』(以下『怪奇集4』)の収録作と『ふらんす怪談』が合わさった本らしく、再編集本といった感じなのかな。『怪奇集4』の方は既読なの…

2023年1月に読んだ本

ランキング参加中読書 一見それなりに読んでいる風にみえますが、小説誌とかは以前に読んだ感想も多いし、読み切り短篇の少ない雑誌も結構あるし、1月の読書時間の大部分は漫画です(笑)。 ◆『わが母なる暗黒』ジェイムズ・エルロイ 久しぶりにシミルボンに…

2022年ベストブック

ベストブックを昨年から選ぶようにしたけど、いきなりつまずいて、なかなか読書がはかどらず。特に今年は新刊を積んでばかりという有様。 まあ自分でもまとめとして整理できるので今年もやるか。 ◎新刊 ・『血を分けた子ども』オクテイヴィア・E・バトラー …

今年も森下一仁さんの「ベストSF2021」に参加。あと過去の投票結果も。

今年も森下一仁さんのSFガイド「ベストSF2021」に参加しました。 nukunuku.michikusa.jp 投票はこんな感じ。 『時の他に敵なし』マイクル・ビショップ 1.5点 『三体Ⅲ 死神永生〈上・下〉』 劉慈欣 1.5点 『人之彼岸【ひとのひがん】』郝景芳 0.667点 『移動…

2022年2月に読んだ本

諸般の事情でまた低調気味。 まあ仕方ありませんな ◆『HHhH』ローラン・ビネ 実際にあった、ナチス高官ハイドリヒ襲撃事件を題材にした小説。とはいえ通常の歴史小説とはやや趣が異なり、語り手が事件の取材を進めていく過程と実在の人物の歩みが重なるユニ…

第2回みんなのつぶやき文学賞に投票しました。あとこれまでのTwitter文学賞~みんなのつぶやき文学賞の投票内容

ベストブック選びとかをしていると、過去のベスト投票のこととかを振り返ってみたくなる。 当ブログ主だと森下一仁さんのSFガイドに毎年投票しているが、そういえばTwitter文学賞にも投票をしていた。 現在は「みんなのつぶやき文学賞」に移行している。 twi…

2021年12月に読んだ本と参加したトークショー

あけましておめでとうございます。今年もボチボチですが、ブログ継続しますのでよろしくお願いいたします。 さて新年一発目は12月に読んだ本と読書関係で参加したトークショー。 まずはトークショーの方から。 最近訳書が連続して刊行されたシルビナ・オカン…

2021年ベストブックス

SFベストは森下一仁さんのところに毎年参加させていただいているけど、今後は年末までにベストブックを列挙しようかな。 ◎新刊 ・『中国・アメリカ 謎SF』柴田元幸編 ・『人之彼岸【ひとのひがん】』郝景芳 ・『三体Ⅲ 死神永生』劉慈欣(2020年刊行の『三体Ⅱ…

はてなブログ10周年特別お題「好きな◯◯10選」に挑戦!(短篇集10選!新しめで)

はてなブログ10周年特別お題「好きな◯◯10選」はてなブログ10周年か。 hatenablog.com ブログ自体は2006年で15年前からやっているけど、前のブログからこちらに引っ越したのが2013年11/23。 funkenstein.hatenablog.com おお、引っ越しは11月だったんだな。と…

2021年7月に読んだ本、SFセミナーも参加

調子はまあまあ、といった感じです。 『夢の木坂分岐点』筒井康隆 サラリーマンの主人公が、多重的な人生を夢経由で移行していき、全体がメタフィクション化する幻想文学作品。ただユングやフロイトを背景にしたところやサラリーマンの生活や内面といったフ…

TH No.84「悪の方程式~善を疑え!」にレビューが載りました。あと2020年9月と10月に読んだ本(と近況)(長い)

9月下旬に突発性難聴になりました。 が、幸いにも早期発見での治療が奏効、後遺症なく治癒しました。まあプライベート含め、多少無理がたたったのかなという自覚があります。皆様もお体に気をつけてお過ごしください。 というわけでバタバタしていたのですが…

THに投稿しました。あと2020年4月に読んだ本、観た映画

「TH vol.82もの病みのヴィジョン」特選品レビューでテッド・チャン『息吹』について「不安は自由のめまい」を中心に書きました。本屋も閉じたりしている昨今ではありますが・・・よろしくお願いします! athird.cart.fc2.comwww.hayakawa-online.co.jp で、…

2020年2月に読んだ本

『息吹』テッド・チャン 前代未聞の<呼吸>SFのタイトル作をはじめ、期待通り傑作揃いだった。恒例の森下一仁さんのSFガイド、昨年ベストに挙げた。(24時まで投票できますよ!) 『病短編小説集』 「病」をテーマにした小説の歴史を短編で俯瞰できる丁寧な…

2019年10月に読んだ本

まだまだ低調だな・・・(好調になるときはくるのだろうか)。 『三体』劉慈欣 現代中国社会を反映した部分とある意味今時珍しいほど大風呂敷なファーストコンタクトSFが融合してユニークな作品になっている。ただ訳すのが大変だった事情はよくわかるところ…

2019年4月に読んだ本、参加した読書イベント

大型連休、諸事情で長期間の旅行までは出来ないものの幸いかなり休みが取れたので第14回名古屋SF読書会に参加。課題本は山田正紀『宝石泥棒』。 (さすがに有名な作品なのでそのまま書いてしまうが)全体の構成としては異世界ファンタジーのように見えて実は…

クルムヘトロジャンはKrum Petrosyanではないかという仮説

クルムヘトロジャンがどこの出身であるか長年気になっていた。 非常に情報が少ない中で唯一の資料となる知香社のウロン文学全集11「へろ」も持っていない(まあ買おうにも価格的に無理だったが)ところで途方に暮れる中、幸いにもネットの時代ありがたいこと…

2019年3月に読んだ本

もろもろあってかなり少なめ。 『渚にて』ネヴィル・シュート 破滅SFの中では静かに終末を迎える人々を描いていることで知られる。パニックに陥らず日常を送ろうとする主人公たちの姿は美しく切ないが全体的なトーンは古いハリウッド映画のように感じられて…